建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ地盤の沈下又は変形に対して、構造耐力上安全なものとしなければなりません。住宅の基礎は、主に2つのタイプがあり、地盤状況などに応じて基礎種別の選択を行います。
1.布基礎
建物の外周部や主要な間仕切り壁などの下部を囲むように、逆T字形の鉄筋コンクリート基礎を打ち込むものです。「連続基礎」とも言います。ベタ基礎に比べ、コンクリートや鉄筋の量を抑えコストダウンを図ることが出来ますが、最近の住宅では空いた部分に防湿コンクリートを打ち込むため、見た目はベタ基礎との違いがわかりにくくなっています。
2.ベタ基礎
建物の下部全体を覆うように鉄筋コンクリートの基礎を打ち込んだものです。底板全体で家の荷重を支えるため、不同沈下(地盤が不均等に沈下することより建物が傾くこと)などに強いとされています。
どちらの基礎形式の場合も、地盤面からの立ち上がりを40センチメートル程度確保し、その頂部に建築物の土台を設置します。基礎の外周には5メートルごとに300平方センチメートルの換気孔を設けますが、最近は土台の下に基礎パッキンを敷く工法が主流となっており、見た目は換気孔がわからないものが増えています。まずは地盤調査を行い、敷地の地盤状況を把握することが大切です。